vol.10株式会社バリュー・クリエイション

代表取締役 小西 清久

今日はバリュー工法を行うバリュー・クリエイションの小西社長に、バリュー工法との出会いから今日に至るまでについてお話を伺いました。

ケーブルテレビの営業マンという経歴

株式会社バリュー・クリエイション 代表取締役 小西清久さんは、もともとケーブルテレビの営業マンで、マンションのオーナーやビルの管理会社を担当をしていました。
知り合いから、 “ミラクルプライマー” を売ってくれないかと相談されたことがすべての始まりになったそうです。

「顔見知りの担当オーナーや管理会社に『水漏れに有効なプライマーがありますよ』と紹介していましたが、今思えば、このプライマーが何なのか、どういう風に使うものなのかきちんと理解していなかったなと思います」と、優しい語り口で話しを始めた小西さんの今日までは、信頼・信用との戦いだった。

バリュー・クリエイションを立ち上げた当初は、どの職人さんにも「長年誰もが困っていることをそんな簡単に止水できるわけない」と言われ、マユツバとか、まがいもんとか、睨まれたり怒られたり誰も話を聞いてくれませんでした。
材料の特性は水性だと言えば言うほど信用されない。
それを小西さんが「信用できます」と言おうものなら余計反感を抱かれ信用してもらえなかったそうです。

この材料との特性のイメージとのギャップが、後に小西さんを苦しめるのですが…
それはもう少し先で触れていくことにします。

ほんのお手伝いから、エレベーターのメンテナンス会社へ転職

他のプライマーを使用したことがないばかりか、そもそも職人としての経験がない小西さんは、当然、このプライマーの本当の「良さ」を実感したこともありませんでした。
それでもケーブルテレビの営業マンとして担当のオーナーさん達に紹介しているうちに、紹介が紹介を呼び、案件も外壁や屋上の漏水から観覧車へと規模も件数も増えてきて、需要があるうえに喜んでもらえるものなんだなと漠然と思い始めていました。

「そのプライマーを取り扱っている会社が事業を辞められたんです。興味を持っていた私は、開発者に直接連絡を取ったりしていました」
そんなタイミングで、エレベーターのメンテナンスや保守をする会社の社長となりました。

エレベーターは、停止する最下階の床面からエレベータ自体の床面までのピットと呼ばれる場所に漏水などによって水が溜まりやすいのですが、従来、エレベーターのメンテナンス会社は、エレベーター以外についてはノータッチで、ピットに水が溜まっていても、建物のオーナーさんや管理会社さんに「水漏れしていますよ」と声をかけるまでにとどまっていました。

小西さんは、ミラクルプライマーを使用すれば建物側の漏水を解決できると知っていたので、オーナーさん達のお困りごとを解消する新規事業を立ち上げました。
すると次第に、外壁などの建物の躯体のメンテナンスの案件もいただけるようになってきました。

そこで、今の会社「バリュー・クリエイション」を立ち上げて、このプライマーを用いて様々なメンテナンスをする事業モデルを作ろうとしました。

しかし、ここで小西さんの前に立ちはだかったのは「良さそうだとは分かるけど」という言葉。
そうです、冒頭でお話したイメージとのギャップが生じました。
信頼と信用が足りなかったのです。

小西さんには、そのギャップを埋めるための経験が乏しく、また、まだ小規模だった会社自体にも説得力がありませんでした。
それが画期的な素材であるプライマーがゆえの難しさです。

「これを使うと長持ちしてしまう」

あるハウスメーカーに言われた一言に衝撃を受けました。
保守や修繕があってこそ成り立つ側面もある業界で、メンテナンスが不要な下地を導入してしまったら、自社も委託している下請業者も仕事が減ってしまうという理由で断られたのです。

そこで小西さんは、プライマーを材料として売ることをやめ、自らが営業活動をしながらも職人として施工することを選択したのです。

そこから5年間、小西さんの職人としての修業が始まりました。

事業に対する考え方が大きく変わった5年間

「職人さんの凄さを見たんです。今まで営業だけをしていたから見えていなかった本質を見たというか。工程を学んでいるうちに職人さんが愛おしくなってきて、もっと尊敬するようになりました。
でも下請仕事は、儲けられないような業界の定説があって…」

人件費だけでも職人さんの利幅がとても少ないのに、元請け会社は“ついでの頼みごと” も職人さんの良心みたいな正義感みたいなものに甘えて予算の範囲内で対応させてしまっている。
しかも、何かあったら責任は取らされるといった、客観的に見ても建設業界でいちばん良くないパターンが横行してたそうです。

日を追うにつれ、結局は元請会社が利益をたっぷりと取っていて、現場で頑張っている職人さんにそれが回っておらず歪みが生じている実態を目の当たりにするようになりました。

例えば梅雨時は仕事ができない日が続き、中にはミルクも買えない人もいました。
いちばん頑張っている人が報われていない状況を目の当たりにして、ますます職人さんの応援がしたいと思いました。

 

職人さんが直接受注できる仕組み作りを

この5年間を通じて、「売らない・広めない」という弊社の骨子が固まりました。
当然ながら材料メーカーとしては、このプライマーを少しでも広く少しでも多く売りたい気持ちはありますが、ゼネコンなど元請会社には販売せず、現場の職人さんにだけ売ると決めました。
職人さんが主導権を握れるようにしたかったからです。

結果、この仕事では職人さんが元請けとなり直で仕事を受けられるようになって利益が生み出せるモデルケースが回り始めました。

工事自体に弊社も利幅を設けていないので、職人さんがお客様に安く見積もりを出せて自身の利益も出せる、そして小西さんは材料費で利益が取れるといった全員が喜べるモデルが確立できました。
職人さんからは、安心して良い仕事ができるようになったと声をかけていただけるようになってきました。

次第に全国から施工の依頼が集まるようになり、小西さんだけでは対応できなくなってきたので、施工を引き受けてくれる職人さんとパートナー契約を結んで「バリューパートナー」となる仕組みを作りました。

パートナーは、既存の職人さんからの紹介だけに限定し上限を50社として契約を結びました。
「パートナーを増やしたり、材料を大量に売ってしまうと競合他社を作ってしまう。
地域に何社もパートナーがいると、1つの案件に対してパートナー同士が競うことを避けたかったのです。」
そうすると、お客様も相見積もりを取るようになり、職人さんは仕事を受けるために金額を下げるようになって、結果的には職人さんの利益が減って市場が終わり本末転倒です。
何としてでも「売らない・広めない」を貫きました。

 

GCUとの出会い

「売らない・広めない」をモットーとしてきましたが、受注数に対してパートナー50社でも足りなくなりました。
小西さんのモットーとお客様からの需要のバランスについて考えていた時に出会ったのがGCU。
GCUの理念「現場で頑張っている職人さんを応援していく」「社会貢献と現場の職人さんのためになりたい」という想いが噛み合いました。
これを機に、GCUの会員さんとだけパートナー契約を結び、バリューパートナーとなっていただく方法に変えたそうです。

一昨年11月に東京、12月は大阪で説明会を開催し、皆さんが半信半疑ながらもバリューパートナーは増えてきました。
「以前とは異なり私にも実績があるので、職人さんに信用していただきやすくなったと感じています。」

もちろんパートナーになるための加盟金はいただきません。
サビの上からも塗れるので、下地処理の軽減&工期が短縮でき、作業費を圧縮する事で、施工価格も在来工法と変わらず、かつ長持ちするので、お客様にもお喜び頂けております。
バリューパートナーさんから「これまで解決できなかったことができるようになり、しかも簡単な工程だ」という声が多く寄せられています。

今ではパートナーさんが全国でお客様のトラブルを解決してくださっているおかげで、バリュー工法自体に対する信頼感もさらに広まっているそうです。

最初はGCUの方々の間にも、
「GCUで皆がパートナーとなり施工をして問題が起こったら大変だ」という声があって、あらゆる実験と検証をしてくださったんです。
その結果、さらに強固となる価値を認めていただいてとても感謝しています。」

最後に小西さんはこう語る。
「信頼と信用を求め続けた10年。少しずつ実績を重ねてきた結果のここ3年は毎日が楽しいです。
現場の人間ではないので、現場に入って職人としてゼロから作業をした5年間は気力も体力も辛かった。
これからも「売らない・広めない」材料メーカーを貫いていきます。」

最近、小西さんがもっとも嬉しいと感じることは、
小西さんがバリュー工法を広めるのではなく、バリューパートナーの皆さんに「僕がこのバリューを広めていきます」と言っていただけること。
これはGCUに加入してから気付いたことがそうです。

バリュー工法のプライマーは、製品としての効果は半分で、使う職人さんの施工力があって初めてバリュー工法が完成されます。
材料の半分・職人さんの施工の半分の相乗効果として、バリュー工法が信頼される工法になってきます。

「でも職人はミラクルプライマーがあったればこそとお声を。その気持ちがありがたくて、ますます愛を感じてしまいそうです。」