vol.14 有限会社 森建築板金工業

有限会社 森建築板金工業 代表取締役社長 森亮介

建設業に携わる企業を応援する総合建設組合、GCUです。今回ご紹介するのは奈良に拠点を置く森建築板金工業の森亮介社長です。創業大正15年。4代目として事業を発展させ今もなお新しい挑戦を続ける森社長にこれまでの苦労や葛藤、そして現在の取り組みや今後のビジョンなどをじっくりと語ってもらいました!

大正15年の創業とは驚きです!会社の沿革を教えてください

創業したのは曾祖父になりますが、当初はリアカーを引いて個人宅を回って板金工事をしていたそうです。やがて祖父が引き継ぎ工務店との取引を開始するようになって事業が拡大されていきました。長い間「森板金店」としてやっていましたが、父が事業を継承した昭和55年に「森建築板金工業」という名前になり現在に至るわけです。

父は精力的に事業を拡大し、奈良だけではなく近畿圏でも活動を展開するようになりました。ただ、板金業は工務店の下請けとして仕事をするスタイルが一般的なので、そのことに対して父は納得のいかないものもあったのでしょう。ある日突然、父は「俺、工務店やるわ!」と公言し、これまでの板金業からパッと工務店に転身してしまったのです。この時、実質的に会社は解体されたのだと思いますが、自分としては代々継承されてきた板金への思い入れがあったので、何とか「森建築板金工業」は残そうと考えました。結果、名前だけを引き継ぐような形で自分が4代目として社長に就任したのです。 

現在の事業内容を教えてください

私は平成16年から社長としてやっていますが、一貫して雨漏りの悩みを解決するために技術を磨き、サービスの質を追求しています。事業内容としては「板金工事」「屋根リフォーム」「屋根塗装」「外壁塗装」「防水工事」など多岐に渡りますが、これらは共通して“家を守る”という大切な役割を担う部分なので、どんな工事でも手を抜かずに全力で取り組んでいます。弊社の強みとしては自分も含めて雨漏り診断士が複数在籍していることです。雨漏りのご相談は本当に多いのですが、原因を特定して的確に補修するという当たり前のことができていない業者もいることは確かです。しかし私たちには豊富な知識と経験があり、雨漏りの可能性を何パターンも想定してから目視や散水実験などによって確実に原因を追求していきます。私たちは雨漏りのプロとしてお客様の悩みに寄り添い、一刻も早く悩みから解放されるように最善の努力をしています。

社長になってからの苦労や葛藤は?

会社を継いだ時はまだ20歳そこそこで実務経験も2年しかない。大勢いた職人は父の工務店宣言の時に離れてしまったので、当初は自分と見習いの2人だけでした。知識も技術もない。仕事もない。ゼロスタートに近かったと思います。しかし、会社を継いだからには何とかしないといけない。知り合いもつてもなかったのでまずは組合に加盟しました。やがてお仕事をいただく機会もちらほら出てきたのですが、何しろ経験がない2人なので見積もりや施工でわからないことだらけです。そんな時こそ組合を頼ろうと、指導してくださる職人さんや工務店を紹介してほしいとお願いしましたが、どこも忙しいことを理由に取り合ってくれませんでした。この時に「助けを求めていてはだめだ。自分自身で学び努力し成長していくことで、本当の意味で自分の力になる。」と強く思いましたね。組合に入っていれば何とかなるというのは自分の甘えだったと気づきました。

それからは、板金のキレイな収まりやカッコいいところがあれば、いきなり人の家に行って事情を説明して見せていただいたり、相場より高い日当を支払う条件で腕の良い職人さんに来てもらい直接技術を教わったりするなど、主体的に自分から数々のアクションを起こしました。そんなことを続けていくうちに少しずつ認められるようになって工務店からの仕事を依頼されるようになりました。

しかし、ある工務店のお仕事をやっていた時に、そこの社長が「適当に直しておけば、来年また雨漏りするから仕事になるぞ」と言われ、言葉にならないほどのショックを受けました。「こんな考えを持った人とは仕事はできない」と強く思いましたね。既に自分達には十分な技術力があったので「これからはきちんと宣伝をして、自分達で仕事を取っていこう」となりました。それからただただ愚直にやってきて、お客様からの信頼が積み重なって今に至るという感じです。

仕事を続ける上で大切にしていることは?

弊社の理念でもあるのですが「人情」「恩返し」「仲間」の3つですね。これらは私の経験と先代からの感覚が交わって出来上がったものです。

人情…本当の意味で人を裏切らない

恩返し…頂いた恩は忘れずに自分にできる何かで期待以上に返す

仲間…仕事だけでなく関わってくれる人を大切に思う事

そして「ありがとうがもらえる仕事人でありたい」ここができていればその人の人生は幸せになれると思っています。

知識も経験も人脈もなく「森建築板金工業」を引き継いだのは20歳の時。それから15年余りでここまで会社が成長できたのは、多くの人の支え、協力、叱咤激励があったからだと思っています。“真面目”そして“一生懸命”という基本を忘れずに、これからも精進していきます。

  こちらは過去のブログで行なった企画のお写真だそうです。(笑)
WEB集客ための様々な取り組みもしていらっしゃいます。
森社長奮闘記!屋根の上のコスプレイヤーでお困りの必見!

社会貢献活動としてユニークな取り組みをしているとお聞きしました

一般社団法人「未来建設プロジェクト」という活動に理事として参加しています。このプロジェクトは建設業に従事している私達がその知識や経験を生かして地域貢献や教育普及しようとするもので、志を同じくする同業数社と共に立ち上げました。これまでに子ども向けの職業体験イベントや学生向けのオンラインイベントなどを開催し、毎回多くの参加をいただいております。ひと昔前は家の近所に大工さんが1人や2人いて、子どもたちは彼らの仕事を間近に感じられたものですが、昨今ではそういう光景もなくなってきました。しかし、建設業は魅力的な仕事であり、社会で重要な役割を果たしているので、きちんと自分達で次世代に伝えていかなければならないと考えています。子どもたちにとっては初めて体験することも多く、みんな目をキラキラさせながら参加していますよ。

未来建設プロジェクト

GCUに加入した理由

こんな理由でいいのかなと思いますが、代表理事の中村さんの人柄ですね(笑)。中村さんのことはもともと間接的に知っていたのですが、自分の誤解もあって最初は敬遠していたのです。しかしある時、親しくしている松原工務店の松原社長(GCUの支部長)と中村さんと3人で食事をする機会があり、その時にあらためて色々お話してみたら共感できるところがたくさんありました。建設業を盛り上げていこうとする気概や、地域貢献への取り組み、後進の育成など、本当に多角的にいろいろと考えていらっしゃいます。そしてそれらをきちんと形にしていく実行力もすごいなと思います。GCUには他にも熱いものを持っていらっしゃる方がたくさんいるので、自分としても加入することで良い刺激をもらい、そして建設業の発展のために共に尽力できるのではないかと思っています。

今後のビジョンは?

私はこれまでに板金職人として、そして雨漏り診断士として、屋根や外壁に関する相談をたくさん受けてきました。お客様の屋根や外壁を拝見させていただいた時に、あまりにもレベルの低い施工がされていてびっくりすることがよくあります。繰り返される雨漏りや不十分な補修を目の当たりにすると、同業者として申し訳なさでいっぱいになります。このような状況を何とかしたいと思い、板金職人としてのきちんとした知識と技術を身に着けるための研修施設をつくりたいと思っています。しかし、この時代ですのでリアルに集合させて教育することは難しいと思うので、まずは技術動画を作成して配信することを考えています。まだまだ挑戦したいことはたくさんあるので、GCUのメンバーとも協力しあって可能な限り実現させていきたいですね。